あなたはいくら借りられるか?『住宅ローン借入計算』

おうちを購入しようとしたときにいくら借りられるか分からなかったら、財布の中身を知らないままブランド品を買いに行くようなものです。

その状態で財布の中身を知らないままにしてしまうと、身の丈に合わない物件を検討してしまったり、結果的に必要以上に財布の中身より少ないものを買い、後悔してしまう可能性があります。

大事なのは財布の中身を知った上で、『買う・買わない』の判断を出来るようにすることです。

それでは解説していきます!

住宅ローン借入計算の考え方

では、財布の中身を知るためにはどうすればいいのでしょうか?

金融機関からするとあなたの年収が財布の中身となるのです。

その年収からあなたの住宅ローンの借り入れ額を算出します。

計算式を紹介しますと、、、

住宅ローンの計算式

年収×返済比率=年間ローン支払い可能額 年間ローン支払い可能額÷12ヵ月
月額ローン支払い可能額 月額ローン支払い可能額ーほかのローンの支払い月額
月々住宅ローン支払い可能額 月々住宅ローン支払い可能額×100万円÷100万円あたりの支払額
住宅ローンの借入可能額

ややこしい言葉が続きますね、、、

僕も初めてこの計算式を教わった時は、何が何だか分かりませんでした。

ひとつひとつの解説をしていきますね!

年収

ここで言う年収とは、税込の年収のことです。

会社にお勤めであれば毎年1月頃に会社からもらう、『源泉徴収票』がその証明になります。

その源泉徴収票の左上の一番が多い数字が住宅ローン借入の場合のベースになります。

ただし、厳密にいうと納めている税金分の収入がベースになるので、会社より支給されている『交通費』など、課税対象外の金額は含まれません。

返済比率

金融機関は年収からどれくらい住宅ローンに割けるかを見ます。

それが『返済比率』です。

住宅ローンや他の借り入れを全て含めて、年収に対していくらローンの支払いができるか。

それを1年分、つまり12ヵ月で割ると1ヵ月のローン支払いに割ける額が算出できます。

返済比率に関して、詳しくはこちらから。
住宅ローンの借り入れ計算に必須『返済比率』とは?

審査金利

返済比率から割り出された月々支払いは、一体いくらの金利の場合にその支払い額になるのでしょうか?

その金利は金融機関によって設定しています。これを『審査金利』といいます。

審査金利について、詳しくはこちらから

住宅ローンの借入額に差が出る『審査金利』とは?

100万円当たりの支払い額

『100万円あたりの支払い額』とは、月々の支払から住宅ローンの借入可能額を算出するための数字です。

100万円を『審査金利』で『住宅ローン支払い期間』で算出した支払い額になります。この『審査金利』が低ければ100万円の支払額が少なくなり、また、『住宅ローン支払い期間』長ければ支払額は少なくなります。

『審査金利』は金融機関によって違い、『住宅ローン支払い期間』はお客さんの条件や希望によって変わります。そのように設定した『100万円あたりの支払い額』を用いて借入可能額を計算していきます。

今からご紹介する計算式は少々ややこしいので覚えなくていいのですが、参考までに、、、
X=住宅ローン借入可能額
A=月々住宅ローン支払い可能額
B=100万円あたりの支払い可能額
C=100万円

X:A=B:C
→A×B=C×X
→A×B÷C=X

となります。

このような理屈で最終的に借入可能額(X)を算出できるようになります。

では、理解が深まると思いますので、例をもとに算出していきましょう。

借入額の計算例

では、早速例をもとに算出していきます!

前提条件:返済比率30%・借入期間35年・他のローン借入なし・審査金利3%

先ほどの計算式に当てはめていくと、、、

350万円(年収)×30%(返済比率)=105万円(年間ローン支払い可能額)
105万円(年間ローン支払い可能額)÷12ヵ月=8.75万円(月額ローン支払い可能額)
8.75万円(月額ローン支払い可能額)-0万円(他のローン支払い月額)=8.75万円(月々住宅ローン支払い可能額)
8.75万円(月々住宅ローン支払い可能額)×100万円÷3838円(100万円あたりの支払い額)=2273万円(住宅ローンの借入可能額)


このような計算になり、この前提条件だと2273万円が借入の上限額になります。 この前提条件とは何でしょうか。

借入期間

住宅ローンを支払っていく期間です。

イメージすると分かりやすいかと思いますが、期間が長くなれば借入可能額が増えますし、短くなれば借入可能額が減ります。

他のローン

他のローンがあれば、そのローンの月々支払いの額の分、借入可能額が目減りします。

手元に現金があるのであれば、そのローンを抹消したほうがいいかも知れません。

返済比率

金融機関によって違います。

350万円の年収の場合、金融機関が見る返済比率は25%~35%が目安となります。

審査金利

こちらも金融機関によって違います。

金融機関により1%前半から4%とまちまちです。これは年収によっては変わりません。

審査金利が低いほど結果として借入可能額が大きくなります。

こんなに金融機関で違う

たとえば先ほどの例と同じ年収のお客さんで、他の前提条件で計算してみましょう。

前提条件:返済比率30%・借入期間35年・他のローン借入なし・審査金利3%

350万円(年収)×30%(返済比率)=105万円(年間ローン支払い可能額)
105万円(年間ローン支払い可能額)÷12ヵ月=8.75万円(月額ローン支払い可能額)
8.75万円(月額ローン支払い可能額)-0万円(他のローン支払い月額)=8.75万円(月々住宅ローン支払い可能額)
8.75万円(月々住宅ローン支払い可能額)×100万円÷3061円(100万円あたりの支払い額)=2858万円(住宅ローンの借入可能額)

実に2858万円の借入が可能となり、先ほどの2273万円と比べれば585万円以上の差が出ます

この差は大きいと思います。価格帯によっては『中古物件』で考えていたものが『新築』になることもあるのですから、、、

ただ、入可能額が伸びるからといって、金融機関を変えて無理して高額な物件を買おうと借入を増やしたとしたら、それは危険です。

今後長い人選で付き合っていく住宅ローンの支払いに重くのしかかってくることになります。

いくら借入できるか?ではなく、月々いくらの支払いがいいか?を元に考えていくべきです。

最後までお読みいただき、有難う御座います。